パンの気になること「大きな農地」・・・その1

農業の初期の時代に、手斧を使って耕していた農夫にとって、数アールの土地といえば比較的大きいものと考えられました。

中世になると、農地の平均的な面積は半アルパンから1アルパン(昔のフランスの面積の単位。地方によって異なり、現在の20~50アールに相当する)へと拡大し、通常、縦の長さは、横幅の20倍あったといいます。

当時このような畑を1枚耕すには、丸1日の労働が必要でした。

イギリスのノッティンガムシャー州のラクストンは、こうした中世の時代の畑が、そのまま今日に現存するイギリスでただひとつの村です。

ドイツのバイエルン地方のノイブルクもそのような村のひとつです。

パンの気になること「小さな農地」・・・その3

鐸夫は自分の生まれ育った地域のことなら、広いところだろうと小さな土地だろうとよく知っています。

たとえ牧畜を営んでいようと、ほかの作物をつくっていようと、農夫は常に穀物用の農地をもっていて、必要なときに備えていました。

今日では、農作業の日当は、産業労働者の賃金にもとついて決められています。

それゆえ小さな農地の耕作は、近代的な機械が利用できないところから賃金にひき合わなくなります。

こういうわけで、小農地はむしろ耕されないまま放置されています。

つまり、耕作によってもたらされる結果に比べて、要求される労力があまりにも大き過ぎるからです。

パンの気になること「小さな農地」・・・その2

人口密度が高く、またたびたび飢謹に悩まされたために、彼らは土地をぎりぎりまで開拓しなければならなかったのです。

アイルランドを旅行する者は、耕地を取り囲む数多くの石垣を見てびっくりします。

それは、土地の境界を画するのに役立っているだけでなく、同時にいく世紀にもわたる労働の証明ともなっています。

つまりそこに使われている石はすべて、農夫が耕地を損しないように掘り出したもので、彼らはそうした石を集めて、石垣のように地上に積み上げたのでした。

ヨーロッパの山の多い地域ではどこでも、小さな農地が多いです。

それは、耕しにくいむずかしい土地を、苦労して農地にした結果でした。

パンの気になること「小さな農地」・・・その1

農夫にとっては、畑や牧場は自然からの授かりものではありません。

それらは何世代にもわたる厳しい労働の結果、やっと手に入れたものなのです。

肥沃な土壌は、根気強い労働によって初めて得られるもので、それを耕作し豊かにすることは、聖なる義務だと考えられました。

これは、農耕が行われるところではどこでも、そうするだけの価値があったが、なかでも中央ヨーロッパおよび西ヨーロッパでそうでした。

日本人、フィリピン人、インドネシア人は、器用に段々畑を耕作する術を心得ていました。

そして稲をつくるためなら、どんなに小さな土地でも利用します。

パンの気になる歴史「麦の刈り入れ」・・・その2

技術や労働の組織化の才能を、疑いもなくもっていたローマ人が、南イタリア、シシリー、北アフリカを開拓したときに、この高性能の刈り入れ機を導入しなかったのは奇異なことでした。

ただいえることは、刈り入れは奴隷によって、鎌を使って行われた、ということです。

奴隷たちは、小麦の茎を手でつかみ、鎌で刈って、それから束ねたのでした。

以前には、収穫期になると切り株のある畑の中に、麦の束が高く積まれて規則的に並んでいました。

今日では、刈り入れをして麦打ちをしたあと畑に放置された麦わらを、固く縛ってまとめた長方形の荷しかみられません。

小作人たちは、麦を穀物倉に入れることもしません。

種蒔きから収穫までの小麦と人間との何世紀にもわたる密接な関係は、機械の登場によってこわされてしまったようです。

パンの気になる歴史「麦の刈り入れ」・・・その1

農業が最も進んでいたのは、彼らケルト人の社会だったそうです。

ローマの資料が伝えるところでは、ローマ人は耕作地に肥料を施していたばかりでなく、泥灰土や石灰もまいていました。

ローマ時代からすでにガリア人ローマ人はケルト人のことをそう呼んだは、古代ガリア北部地方の大開拓において刈り取り機を使っていました。

"ヴァリュス"と呼ばれたこの道具は、原理的には、機械じかけの一種の鎌だったとのこと。

2つの車輪がついた台の上に、大きな箱のようなものが乗っていて、その一方の突き出た端に、鎌のかたちをした歯がいくつもついていました。

これを牛あるいはラバでひくのです。

すると鎌のような歯が麦の穂をとらえて、刈り取っていきます。

大きな箱の中に穂がたまってくると、規則的にそれを空にします。

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